キャンピングカーのある暮らし #2

世界のキャンプ場事情は国によって大きく異なる。アメリカは大自然の中だけではなく普通の街、大都市にもキャンプ場がある。しかも先に述べたフルフックアップ可能なところばかり。要は大きなモーターホームやトレーラーで乗り付け、長期滞在しながらその周りの自然を楽しんだり、場合によってはキャンプ場でオシャレに着飾って街へ出かけて楽しむなんてこともある。そういうバックグラウンドがあるからこそ、動く家とも言えるモーターホームが発達してきたのだ。

その点ヨーロッパの方がキャンプ事情も車も日本に近いと言える。キャンプ場は多いのだが、アメリカに比べればシンプルだ。排気量の大きな車は税金が高いこともあり、コンパクトな車体で丁寧に作られているキャンピングカーが多い。冬が厳しい国も多いので寒さ対策も万全だ。

今までアメリカンなドルフィンで数多く旅したが、フルフックアップなんて利用出来たのは数える程しかない。そもそもそんな施設が国内にほとんどないし、一泊の為にする準備としては仰々しく面倒だ。キャンプ場でお店を広げてくつろぐより、もっと色んな場所に行ってまだ見たことのない景色を見たい。今までよりコンパクトで手間がかからず、日本の四季を快適に過ごせる車、そして憧れのヨーロピアンモーターホームを一度経験してみたいということで一大決心をして旅車を乗り換えることにした。

アメリカンからヨーロピアンへ

1995年、ヨーロッパの雄ハイマー社のハイマーCAMP89がやって来た。アメリカンとはやはり居住部分の作り込みが違う。フカフカだったソファーが長く座っても疲れない硬さになった。きらびやかな家具がしっとりとした落ち着いた雰囲気になった。気密性も高く断熱もしっかりしているので冬でも暖かい。さすがの作り込みに感心した。一方コンパクトになったぶん収納スペースは減った。キッチンスペースや冷蔵庫の容量、ウォータータンクなども小さくなったが、このあたりは使い方でどうにでもなるだろう。アメリカンとヨーロピアン、どちらにも良さはあるので一概には言えないが、自分の使い方にはこちらの方があっている。素晴らしい道具を手に入れたのだと実感した。さあ、どこへ遊びに行こうか。

1996年6月 支笏湖畔の美笛キャンプ場にて。素晴らしいロケーション。
2006年1月 道の駅 天城越えにて。極寒の夜も快適に過ごすことが出来た。

北海道への長期キャンプなどは以前のドルフィンと同じように何度も楽しんだが、この車になってから短期キャンプも多くなってきた。つまりもっと日常的に使うようになってきたのだ。今や車中泊をする人達にはお馴染みの「道の駅」がこの頃から全国に展開されるようになったことも大きい。そして日本ならどこにでもある日帰り温泉、これだけでも十分な旅の目的になる。車内での食事(宴会)も格別なものがある。その土地の素晴らしい特産品などがあれば素晴らしいが、スーパーのお惣菜でも十分に美味しく楽しい食卓になる。

キャンプ89と順風満帆なキャンピングカーライフを楽しんでいたのだが、ある日最大のアクシデントに見舞われることになる。

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