column 002 2001 渡辺貞夫 Jazz Tour

 暖かくて良い季節になりましたね。昼間はポカポカ陽気で、ついウトウトしてしまいます。皆様はいかがお過ごしでしょうか。私はこの時期、久しぶりの長旅に出ていました。渡辺貞夫さんのツアーで、東北、東海、北陸など、たくさんの街に行きました。そのお陰で季節は冬と春の間を行ったり来たり…、狭い日本の中でもこんなに違うものかと妙に感心しました。

 今回の旅はカルテットでストレートなジャズを中心に演奏しました。この編成でジャズを演奏するのは、ピアニストにとって非常に楽しいものです。ドラム、ベースと共にリズムを作り、サウンドをコントロールしていく楽しみに加えて、自由度の高いソロや刺激的なインタープレイ等々…、本当に楽しく、やりがいのあるものでした。何といっても貞夫さんと一緒に演奏するというのは、何物にも変え難い喜びです。

 しかしそれと同時に、緊張感もあります。演奏は刻一刻と生き物のように変化していくので、その流れをキャッチできないと、上手くアンサンブルする事は出来ません。また、貞夫さんの素晴らしいソロのあとに自分がどのように演奏したら良いのか等々…、まあその他にも色々気を配るべき事は山ほどあります。しかしながら、バンドの息がぴたりと合えば、非常に小さな音量でも、テンポがゆっくりでも早くても演奏はグルーヴするし、ダイナミクスも自在に変化出来ます。そんな時は自然に肩の力が抜けて、疲れずに何時まででも演奏出来る気分になるのです。

 今回演奏した場所は殆どが小さめのジャズクラブで、それがまた良かったのです。やはり演奏者と聴衆が近いのが一番良いですね。そんな訳で、思う存分演奏して音楽に浸った今回の旅なのですが、東北や北陸は、名だたる酒どころ、やはり飲まない訳にはいきません。

 毎日美味しいお酒をいただき、場所によってはその場でセッションが始まり、明け方まで大盛り上がりなんて事もありました。2週間という長い旅だったので、さすがに最後の方は疲れもたまりましたが、(飲み疲れかも?)音楽的にも得るものが多く、非常に有意義な旅になりました。また近いうちに貞夫さんのライブはありますので、皆さん是非遊びにきて下さいね。
 
 それでは、ライブで皆様にお会い出来るのを楽しみにしております。ではでは・・・。

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