前作「CHINITA」がピアニスト小野塚晃を紹介するアルバムだとすると、今回の「Rera」はミュージシャン小野塚晃を紹介するアルバムです。ジャズピアニストとしての側面はもちろんですが、普段私が接している音楽との関わり方を素直に表したかったので、打ち込みやシンセ、色々な楽器の演奏等、バラエティに富んだ内容になりました。このアルバムを通して、小野塚晃のパーソナリティー&音楽を感じていただき、そして楽しんでもらえたらと思っております。それでは曲紹介です。
1. Rera
「Rera」はアイヌ語で風を意味します。風は遠くからたくさんのメッセージを運んできます。街の喧噪や海の匂い、変わりゆく天気の知らせ。もし風に自分の想いを託す事ができれば遥か彼方に届けてくれるかもしれません。そんな事を考えながら、大きなスケール感のある曲にしたいと思い作曲しました。フレットレスベースの印象的なメロディー、そして後半のスケールの大きなドラミングも必聴!アコースティックギターも疾走感を高めていますね。北海道のとある大草原のようなジャケットを見ながら、風の物語に耳を傾けて下さい。
2. Green Flash
夕日が赤く見えるというのは誰もが知っている事ですが、ある条件が揃うと太陽が完全に沈む前に一瞬だけ緑色に見えるそうです。夜が始まる前の偶然の一瞬…、そんなイメージです。
打ち込みビートを使用したコンテンポラリーなサウンドの中で1人のヴォーカリストの様にピアノを弾いてみました。この曲は全て自分で演奏しています。イントロとエンディングのギターの遠吠えのようなサウンドはシンセをギターアンプで鳴らしたものです。
3. Owl’s Eye
フクロウの目というタイトルなのですが、私のイメージとしては北海道に生息する絶滅危惧種のシマフクロウなのです。人の営みをもっと自然と調和するものにして行かなければ…、という「物知りバード」からのメッセージです。
「物知りバード」と同じジャズワルツですが、マイナーなのでシリアスな感じです。ライブでは熱くなれる曲ですね。各々のソロも堪能して下さい。
4. High Grown Cafe
札幌市の藻岩山山麓に実在するカフェの名前です。珈琲が美味しいのはもちろんの事、札幌市内を一望出来る景色が素晴らしい!その景色を思い浮かべながら書いた曲です。この曲はトリオの一発録りなんですが、その後シンセをダビングして仕上げました。曲の中のBメロにはYAMAHA MOTIF XS8に内蔵されているボコーダーを使いメロディーをユニゾンして幻想的な雰囲気を演出してみました。
5. Land Breeze
FOURTH DIMENSIONに収録されている曲なので随分昔の曲になります。この曲のハーモニー感が好きなのと、エレクトリックなリズムトラックの中でベヒシュタインのピアノを弾いたら面白いなぁと思いトライしてみました。タイトルも「風」繋がりで何だか良いですね。納師匠のハイパーなウッドベースも聴き所です。DIMENSIONとアレンジの違いなども楽しんでもらえたらと思います。