column 017 4th. Solo Album「天空の楽園」

Bon Dance

 やっぱり日本人だったら盆踊りですよね。普段はジャズだフュージョンだと言っても、お囃子のリズムはすっと身体に入ってくるものです。そんな気分を打ち込みで表現出来ないかと思って書いた曲です。アフリカの人に言わせると不思議なことに、日本の太鼓はアフリカと通じるものがあり、大好きなんだそうです。
 
 ドラムキットはWacco Old School。マレットで叩いているサウンドでらしさを演出しています。打ち込みのジャンベと実際私が叩いたジャンベ、そして打ち込みのカウベルがお囃子感を増しています。1人で音を重ねている訳ですが、バッキングをよく聴きながら演奏し、そのメロディーやソロに対してまたバッキングを工夫すると1人でも色んなストーリーが生まれてくるものです。
 
 お盆はご先祖様と交流する機会でもあります。そんなミステリアスな部分もありつつ、曲(宴)はどんどん盛り上がって行きます。時空が歪んだようなフェルマータを挟みラストテーマへ。そしてコーダに飛びますが祭りはまだ終わりません。ライブでも最高に盛り上がる曲になりました。

Far Away 2019

 人生は果てしない旅路。平坦な道も険しい道も、晴れの日も雨の日も、一歩づつ足を前に進めて行きます。あまり振り返ることは良しとしませんが、たまに振り返るとその景色や足取りに自分でも驚くことがあります。原曲は14th DIMENSION “Hearts”に収録されていましたが「Far Away 2019」となってよみがえりました。
 
 Arturia Mini V3のシンセベースに手弾きのスラップベースが絡みます。しかしメロディとソロを弾いているベースはMONTAGEのスラップベースです。原曲のイントロ部分から生まれた中間のベースソロ部分が怪しくて良い感じですね。PEARL ReferenceのドラムキットにスネアだけLudwig Supraphonic 400というチョイスで、打ち込みでも粘りのあるヘビーなリズムを目指しました。

 写真にもあるように、今回フェンダーローズは全てMONTAGE7をインサーションエフェクトとして使っています。パラメーターの自由度はもちろん、単体の高価なエフェクトを凌駕する素晴らしいクオリティーでした。

Second Line

 セカンド・ライン (second line)とは、ルイジアナ州ニューオーリンズのブラスバンドを伴った伝統的なパレードの名称。そこから生み出された独特のリズムはセカンド・ライン・リズムあるいはセカンド・ライン・ビートなどと称され、ニューオーリンズのジャズ、R&B、ファンクなどの音楽の重要な要素となっている。

Wikipediaより

 これも一筋縄ではいかないリズムを打ち込みでやってみたくて出来た曲です。アルバムの中で一番ジャムっぽい曲でもあります。アーシーなハモンドオルガンがいい味を出しています。

 今の音楽は無味無臭だとよく言われますがそれでは面白くありません。下手だって良いのです。体温を感じる、汗臭さを感じる、心の叫びを感じる。音を出す喜びを感じる。たとえマシンを使ってもそんな音楽をクリエイトして行ければと思います。

夕凪

 夕暮れ時に今日を振り返り「あぁ良い一日だったなぁ」と思えるのはとても幸せなことです。私たちの何気ない日常は病気や災害であっという間になくなってしまいます。だからこそ普段の何気ない日々が大切なのです。全ての人々が穏やかな日常の中で幸せに暮らせるよう願っております。

 天空の楽園のクロージングナンバーはMONTAGEのリアルFM音源のエレピ、808のドラムキットを使ったエレクトリックな編成ながら、優しく語りかけるようなナンバーになりました。さあ、そろそろゆっくり休みましょう。おやすみなさい。

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