2013年4月の旅するピアニスト。(後編)

旅の後半戦はこのジャパンレッドのニクイやつに乗って仙台へ。貞夫さんの旅に再び合流です。仙台 retro Back Pageのピアノも手強いのは知っているのですが今回はアレッ?て思うほど私の方に寄り添ってくれた気がします。

そして一関ベイシーの2Days。ここのピアノも楽なピアノではありませんが、やはり今回は寄り添い合いながら演奏出来た気がします。もしかしたら前よりピアノの気持ちがわかるようになったのか、ピアノが私に以前より心を開いてくれたのか…。(^_^)

そして旅のハイライトは一関から名古屋に移動してDIMENSIONのライブ。何でこんなスケジュールになっちゃったんでしょうか…。f^_^;)

昨日までのアコースティックなサウンドとは違いエレクトリックなサウンド。アンサンブルが構築された中でどれだけ自由に弾けるのか?音楽の本質をどこまで掴める事が出来るのか?…等々頭で考えてみたものの、考えてもしょうがないんです。

ライブが始まって音を出すと…、…何か良い感じです。音は大きいのですが一体感があります。アコースティックと全く同じとは行きませんが、他のミュージシャンの音を良く聞いて反応する、自分のプレイを俯瞰して見れるようにする。アンサンブルの基本と言えばそれまでなんですが、やはりそこがしっかりしてこそどんな状況でも楽しめるのだと思います。 音楽って不思議な生き物です。音を出している人の気分一つで変わるし、お互いの音を聴いて反応していくことで音楽という生き物の形はどんどん変わります。今日はこんな事をやってやろうなんて決め撃ちしてもダメなんです。生きたひとつの音、ビートにみんなで乗れたときに思いがけない会話やフレーズが出て来て更に楽しくなって行くのです。何か凄い事をしてやるなんて思った時点で演奏が力んで楽しくなくなってしまいします。昔貞夫さんに「お前、もっと音でカンバセーションしないとな。」と言われた事を思い出しました。そしてピアノともカンバセーションしないとダメなんです。このピアノは弾きづらくて鳴らないからダメだとか、俺が力でねじ伏せてやるとか、そういう事じゃないんです。言葉にするのは難しいのですが、何か以前より見えて来た感じがします。こうなると明日、また貞夫さんの旅に合流してピアノを弾くのが楽しみです。

福島 Big Apple
会津若松 會津稽古堂
郡山 富や蔵
新宿 PIT INN

本当に忙しかった4月なんですが、充実していて素晴らしい日々でした。果てしなき音楽の世界ですが、少し先に踏み込み違った景色が見えてきた感じがします。技術的な事もそうでない事もすぐには進歩しませんが、少しずつでも前に向かって進もうという気持ちがあるか無いかで大きな差が出るのだと思います。

貞夫さんのツアーもようやく終わりと思いきや、最後にハードルがもう一つ。淡路町に新しくオープンする「WATERRAS」というビルのオープニングイベントがありました。

実はこの日、吉田治さんのバトルジャズビックバンドと掛け持ちだったのです。運営の諸事情で貞夫さんのライブのスタートが遅くなり、その後のバトルジャズビックバンドのステージはオンステージも聴衆も私が来るのをずっと待っていたのです。「うわぁー、こんな事ってあるのか。」と思いましたが気合いも入りました。本当に最後の最後まで気を抜けない2013年4月の旅するピアニストでした。(^_^)

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