上の写真のピアノは私の札幌の恋人なんですが、嫁ぎ先を探しているという話しが来ました。想定外の事だったので本当にびっくり。完全に不意打ちです。そりゃ欲しいに決まってるじゃないですか。でも先立つものが…。しかしこのタイミング、不思議な運命を感じてしまいました。
このピアノは元々私が見つけて選定したという経緯があり、宇宙一好きなピアノなんです。自分がこれだと思うピアノを手に入れるチャンスなんてもう一生ないかも知れません。そして上手く段取りが組めれば自宅の前にスタジオに入れて今回のレコーディングに使えるのではと。先立つものに全く余裕はないのですが迷っている時間はありません。清水の舞台から一世一代のダイブです。そして知人にも手伝っていただき、海を渡る移動の段取りとレコーディングスタジオのスケジュールが見事に合致しました。
運命の糸に導かれるように色んな事が決まって行きます。私のソロアルバムは全てベヒシュタインピアノでレコーディングしているのですが、まさかこのベヒシュタインM180でレコーディング出来るとは。もうこうなれば何の迷いもありません。音楽の中に入り込み、このピアノで今自分の出来る最高の演奏をするだけです。今年の1月の三日間、都内のスタジオで行われたレコーディングは濃密で特別な時間でした。
M180はベヒシュタインらしさ満載！サイズを超えた素晴らしい音、その圧倒的な存在感に弾いている自分もびっくりするほどです。この三日間でピアノはもちろんですが、ローズも弾いてベースも弾いて、グロッケンを叩きジャンベも叩き…、とにかくこのレコーディングが終わって欲しくないと思う幸せな時間でした。