column 017 4th. Solo Album「天空の楽園」

 今回のアルバムのドラムは全てXLN AudioのAddictive Drums 2を使用しました。曲ごとにセットを変えていますので、それも紹介します。

〜Overture〜 Another Paradise

 この曲は10年以上前の五線紙に書きなぐったメモを発見した事で出来ました。多分ピアノトリオ用に考えていたはずですが、アルバムの冒頭を飾るべくエレクトリックで大胆にアレンジしました。いつもの私と違うシリアスな雰囲気があります。明日を変えるためにいつもと違う今日を生きる、たとえ困難があろうとも今よりもっと素晴らしい場所を目指して前に進んでいくぞ!というアルバム全体の意思表明のような曲です。

 ドラムはPEARL Referenceドラムキット。手数の多い打ち込みって時間がかかって大変なんですが、思った効果が出ない事がほとんど。人間の素晴らしさを痛感しつつ、気合を入れてなかなかのドラマーに仕上げました。この曲だけピアノレス、メロディーはYAMAHA MONTAGE7のシンセリードです。エンディングに登場する時空にトンネルが空いたようなパッドが、いつのまにか次の曲へと誘います。

明日へ

 この曲は前作に収録した「風の記憶」と同時期に、ボーカリストが歌うことを想定して書いた曲です。だからアドリブやインタープレイがどうこうなんて全く考えませんでした。とにかく曲のメロディー、サウンド、世界観を楽しんでほしいのです。人間誰しも感じたことのある、今より大きな世界に踏み出そうとする時の迷いや不安、優しく背中を押してそれを打ち消してあげるような気分の曲です。

 この曲にはマスやん(増崎孝司)にアコースティック・ギターで参加してもらいました。ストロークの疾走感が気持ち良いですね。ベースはMONTAGEのフレットレスベース。グロッケンも演奏しました。Arturia Analog Lab4のアルペジオが大空に羽ばたくようです。ピアノだけの静かなセクションでメロディーをなぞっているのはYAMAHA Reface CS。あともうひとつ何か足したいときに、リアルタイムで音色を作りながら試せるのが非常に便利でした。音色も大したもんです。前曲に続きドラムはPEARL Referenceです。

Rainbow Chaser

 音楽が大好きで夢見がちだった少年が大人になった今でもまだ夢を見ています。死ぬまでそれは変わらないでしょう。

 音楽的には個人的に大好きな70年代後半のクロスオーバーが色濃く出ています。この曲は打ち込みにおけるミディアムテンポの表現をあれこれ試しているうちに出来た曲です。結構しぶといテンポですよね。生ベースも弾きました。トーンのハイを絞りきった、なんとも言えない泥臭さが良い感じです。テーマのピアノはシングルトーンでボーカリストのように、ソロではファンキーに弾いています。リピートしたテーマのメロディーをなぞっているのはまたもやReface CS。ポルタメントがかかっていますが、フレーズの途中で深さを変えたりしています。

 ドラムセットはVintage Dryをチョイス。Ludwig Silver Sparkleですね。この曲もですが、アルバムを通してArturia Matrix-12 Vは多用しています。何故かって?もう単純にOberheim Matrix 12が大好きなんです。使わずにはいられないのです。

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