貞夫さんとはもう20年近く一緒に演奏しています。しかしながら、誰もが知っている貞夫さんのヒット曲をステージで演奏する機会は数える程しかありませんでした。それは貞夫さんが後ろを振り向かず、常に前を向いて音楽を創っているからです。しかし貞夫さんが切り開いてきた道に、たくさんの宝石がキラキラと輝いている事を疑う人はいません。 今回はクロスオーバー〜フュージョンと呼ばれた時代に輝きを放った貞夫さんの名曲を今の空気のなかで演奏し直してみようという趣旨。あの時代の曲たちを演奏出来る喜びは大きいのですが、単なる回顧趣味に終わらず、今のミュージシャンの息吹が感じられる演奏にしようと気合も入ります。 メンバーは日本人のレギュラーメンバーにゲストボーカルでヴァニース・トーマスが加わる編成でした。ヴァニースは明るくて気さくでチャーミングな人。何も気にすることなく打ち解けて演奏する事が出来ました。今回のプログラムはJazzの曲と違い、構成が複雑だったり決め事が多かったりします。シンセを多用してアンサンブルを華やかにカラーリングする事も要求されます。もちろんJazzとしてのサウンドクリエイト力も問われます。まさに今まで演って来た事の集大成ですね。 貞夫さんの曲はストレートでシンプル。美しいメロディーが自然に体へ入って行きます。それでいて深い味わいがあり、演奏していて楽しいのです。 しかし今回のプログラム、聴く側は楽しかっただろうなぁ。私達もそんな聴衆の空気を毎回感じながら演奏していました。貞夫さんの音楽がたくさんの方に本当に愛されていることを実感する今回のツアーでした。
ツアーの最終日は、渡辺貞夫グループで福島県相馬市民会館の落成式に出演しました。市民が集まり様々な行事が出来る事で、より復興が加速するのではと思います。私たちに出来る事は限られていますが、音楽が少しでも皆様の力になればこんなに嬉しい事はありません。
さあ、11月も貞夫さんのツアーがあります。お時間のある方は是非足を運んで下さい。私も気合いを入れて頑張りたいと思います。
コメント
コメント一覧 (1件)
このブログに今頃になって気が付きました。
そう、行きたくって行きたくって・・・東京に住んでいたらと
生まれながらの田舎暮らしを恨むしかなく我慢していました。
貞夫さんのライブは、毎回、『今、聞いておきたい!!』と思わせるもの。
日程が合うことをいつも願ってきました。
今年のコットンクラブには、一人参加ですが、せっかくのチャンスなので
頑張って行かせていただきます。楽しみにしていますね!!!